委員紹介」カテゴリーアーカイブ

アスプルンドと北欧の森の建築

プロフェッション委員会H27委員長 上梅澤保博

-「アスプルンドと北欧の森の建築」講習会に参加して-

平成27年7月11日(土)、今回の講習会はスライドで写真が多く、
とてもわかりやすく、アスプルンドの建築を知ることができました。
幾枚もあり、また、いろいろな視点からの画像は、とても楽しく見る
ことができました。
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特に興味を持ったのは、「森の墓地」建築の中の1枚のショットです。
丘と空のラインをバックに、樹木と築山がある風景がとても印象に
残りました。
その丘や樹木の配置も、自然の形を全て計算された風景と聞かされ
たときは、とても驚きました。
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また樹木の枝振りも、幹のうねりも 建物と同じように知り尽くされ
計算されたのだと知りとても感動しました。
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自然の姿をそのまま活かす形は、違和感なく目に入り、心地良く
思えるものとわかり、今後の仕事に活かしていきたいと思います。
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委員紹介-3

プロフェッション委員 庄司 雅紀

-建築を志したきっかけ-
中学3年の夏休みに、「考える葦」というモニュメントの製作責任者になり、
デザイン、基礎、骨組み、仕上げと男女15人くらいで造り(今もあります)、
その時みんなで一つのものを造り上げる喜びを感じました。
それと、ちょうど安保闘争が終わったころで、大学まで行って勉強したくなく
実務を身に付け早く働きたかったので、普通科より工業高校の建築科を
選びました。

-仕事の変遷-
高校を卒業して、オイルショックの年(昭和49年)に設計事務所に就職し、
先輩方から建築のイロハを学ばせて頂き、13年間たくさんの物件、
たくさんの人の出会いが現在の自分に大きく影響していると思います。
昭和62年(31歳)のバブルの始まりのころに、不動産と大工を直営で
15人ほど抱える設計施工会社に就職し、木造住宅がどうやって造られて
いるかを肌で感じ、クライアントとの打合せ、設計監理、見積りから
実行予算を決め協力会社へ発注、品質管理、工程管理、安全管理と
全部体験し、土地の有効活用、事業計画や会社の経営についても知る
機会を得ました。
この中間管理職の立場は、現場の声と経営者側の狭間に立ち、また、
バブル期の仕事量の多さに限界を感じ、設計だけに専念しようと、
平成5年(36歳)に建築設計事務所を立ち上げました。

自営業の一番のいいところは、時間の使い方を自分一人で決められる
ということで、ちょうど、子育てと重なり、子供と接する時間も多くとれ、
充実した時間を過ごせました。
反面、仕事の面では、納期や予算からクライアントと自分が納得する
仕事ができるか、仕事のない時は、この先家族を食べさせていけるか
どうか、どちらにしても心身にかかる負担は大きく苦しいもので、ちょうど
姉歯事件、リーマンショックもあり、16年間の設計事務所に幕をおろし、
これまでお付き合いがありました補償コンサルタント会社に平成21年
(52歳)に就職しました。
現在は、補償コンサルタントと並行して、設計監理を業務としています。

趣味は、弱い囲碁(好きな棋士、趙治勲・稲葉禄子)と、へたなゴルフ
(好きなゴルファー、ルークドナルド・テレサルー)あと図書館通い
(新聞のまとめ読み)と、野球(中日ファン)と
映画(メリルストリープ・メグライアンが好き)を見ること、たま~に競馬、
竹内まりやも好き(誕生日が一緒・年は違うけど)、人生の師匠は
鬼平犯科帳の長谷川平蔵(悪を知らずして悪を取り締まれるか)。

【名    前】 庄司 雅紀(魚座 八白土星)
【会社名】 (株)かけい補償コンサルタント
【住    所】 〒939-2256 富山市上二杉280-2
【連絡先】 T E L :076-468-2314
E-mail:teardrop@pr.ctt.ne.jp

委員紹介-2

プロフェッション委員 茗原 勉

記憶にはありませんが、小さい頃から両親に3階建ての家を建ててあげると
言っていたそうです。そんな私は電子科の卒業生です。

卒業後、何の躊躇もなく、あこがれの建築の世界へ飛び込みましたが、当時の
業界は封建的で、休日は第一、第三日曜日のみで、友人達は隔週二日制の
はしりで休日がまったくかみ合わず、会う機会の少ない状態でした。
また大工は、十五日、晦日と月二回の給料日があり、現場監督助手の自分は
大工になろうかと、本当に悩み真剣に考えました。

建築のケの字もしらず、まず、この仕事の作業が正しいのかどうなのか、また、
初めて聞く言葉で意味さえ分からず、何も判断できず、これではダメだと一大奮起し、
二度目のチャレンジで、何とか夜間部の大学へ入学出来ました。

会社の理解も頂き、夕方5時頃退社させてもらい、昼間は現場で実務実習、夜間は
学校で実務の予習、復習の繰り返しで、面白いように頭の中に入り、その間、寝る
時間は殆どなく、早くても夜中の二時が当たり前で、四時、徹夜も珍しくないのに
まったく辛いと思った事は一度もなく、それは多分、同じ目標を持った新しい仲間との
巡り合いがそうさせたのかもしれません。

会社では会長が当時、東京都議会議員であり、選挙戦が始まる一ヶ月前から選挙
運動員に駆り出され、期間中は会場の設営、跡片付け、選挙カーの運転手などをし、
当初は選挙運動に来たのではないのにと、かなり反感も持ちましたが、そのお蔭で
道路もかなり覚えました。また、個人演説会場には多くの有名人が弁士として応援に
駆け付け、会えるのも楽しみの一つでした。今、選挙が始まると熱くなるのが、そんな
ところが影響しているのかもしれません。

昭和50年に一身上の都合により富山に帰ってきましたが、東京で仕事を覚えたせいか
不安でたまりませんでした。
二度の会社勤務を経て、58年より独立し、お陰様でまる30年が経ちました。
当時の気持ちを忘れず、今後もオーナーの側に立って考え、共に夢を追いかけ、
喜んでもらえる、そして頼んで良かったと思われる建物を作り続けたいと思っています。

【名  前】 茗原 勉 ( いて座 六白金星 ) A型
【会社名】 (有)茗原建築事務所
【住  所】 〒939-2717 富山市婦中町上田島155番地
【連絡先】 T E L :076-465-4882 /  F A X:076-465-4124
E-mail:miyouhara.k@brown.plala.or.jp

委員紹介ー1

プロフェッション委員会H26委員長 上梅澤保博

-老子のタオ(道)とは-

私は、20年ほど前から気功に興味を持ち、中国伝統風水を研究したり、気孔の
歴史を学んだりしてきました。そうこうするうちに、道教の開祖とも言われている
中国の伝説的人物である老子とその教え「タオ」という言霊(ことだま)にたどり
ついたのです。

老子(ろうし、紀元前5世紀頃)は、中国の春秋時代の思想家で、『老子』
(またの名を『老子道徳経』)を書いたとされ、その思想原理は万物の根本である
タオによって表されます。「タオ」とは「道」とも訳され、宇宙の深遠なる真理について
語られているといわれています。

タオ(道)とは、全ての存在を規定する原理であると同時に、それら全てを生み出した
母なる存在です。人為を廃し自然であることが道に通ずるとされており、このような
態度を無為自然といいます。

「トランスパーソナル心理学」という最近の心理学には、人間の意識の発達段階を
8つに分けて、らせん階段のようにぐるぐる回りながら上に上がっていくという
「スパイラルダイナミクス」という理論があります。
発達の段階(意識の段階)は、同じ人でも、混じりあって現れるのではないかと思い
ますが、優れた建築家がインスピレーションを得るときというのは、この意識の段階
(ミームという)の上部2層ぐらい、第7段階・第8段階の意識状態になっているのでは
ないかと考えます。

もしくは、さらに高度なミームもあるそうなので、そういう特別な意識状態なのかも
知れません。そのような時にタオ(道)は語りかけ、直感又は一瞬のビジョンでもって、
これから生まれるべき使命をおびた建築のブループリントを建築家の脳の表面意識に
「光」のように照らすのかもしれません。
それは、太極図(タオの概念を示すといわれ、陰陽五行思想の陰陽をあらわす)の
黒い部分に1点の白があるように、かすかな光であるかもしれませんが。

「変性意識状態」の正常解離といわれる状態では、時間や場所の感覚がなくなり
潜在意識にアクセスしやすくなるそうですが、好きなもの情熱を傾けるものに寝食を
忘れて熱中している状態はだれでも起こりえる意識状態です。
そのような時に、高いミーム(意識状態)に特定の分野である人は、その道で革新的な
才能を発揮するのではないでしょうか。

心理学では魂のことを「非局在的意識」 という言い方をすることがあるそうですが、
時間や空間を超えて移動する、だれのものでもない意識が人間の意識にはあると
感じています。また、人の意識は表面意識(顕在意識)・無意識(潜在意識)・集合的
無意識(普遍意識)というとらえ方もあるようですが、無意識のレベルが老子のいう
タオの世界と通じているような気がしてなりません。

例えば中国古代思想の易経でいう六四卦とDNAの言語体系はまったく一致している
そうです。易経が出てきたのが3000年位前で、DNAの符号語が解読されたのが
1961年ですから、易経を発明した中国人は集合的無意識にアクセスして、
光(インスピレーション)を得たのではないかと思います。
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フランク・ロイド・ライトは「建築は、生きるための、その内なる空間にこそ実在する」
といった老子の悟りを認識し、それを実際に建設しようとしていることに誇りを持つと
いっています。そしてこれが、彼のいう「有機的建築」の中核概念だといっています。

2013年9月25日(水)~10月1日(火)の7日間の日程で F.L.ライトの作品を見て
きました。一番感動した建物は、ジョンソン・ワックス本社ビルでした。総務や経理が
今も執務している事務家屋は内部に入れてもらい、その精妙なる空間に非常に癒される
ものを感じました。

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ハスの花が咲いたようなコンクリートの円柱がならび、その円形の天井・屋根の構造体の
間からガラスのチューブを透かして、ほどよい白い光が差し込んできていす。

閉鎖的な人口の空間でありながら、木漏れ日の中にいるような、森の自然を連想する聖なる
空間でした。人工的というよりは、土臭い巨大な苔の中に、小人になって住まっているがごとくの
建築で、F.L.ライトが唱える『有機的建築』の最高峰のひとつと感じました。

そして、このジョンソン・ワックス本社ビルは、ライトの作品の中で(おそらく思想家として自分より
格が上であると認めていたのではと思う)老子タオ(道)の世界感を一番表現しているのでは
ないでしょうか。

【名  前】 上梅澤保博
【所  属】 上梅澤建築設計事務所
上梅澤(土地家屋調査士)事務所
【住  所】 〒939-8006 富山市山室256-4
【連絡先】 ℡ 070-5636-8880 / Fax 050-3737-5472
E-mail:kami-ym@ma.net3-tv.net
【趣  味】 太極拳、気功(太極気功十八式)
【仕  事】 建築設計、土地家屋調査士、不動産風水コンサルタント