2023年10月27日(金)~28日(土) 第65回建築士会全国大会しずおか大会・県外建築見学会

大会会場の静岡グランシップ

大会会場の静岡グランシップ

【 第65回建築士会全国大会しずおか大会・見学会内容 】
2023年10月27日(金) 14:30~17:00 第65回建築士会全国大会 大会式典
2023年10月28日(土) 09:45~10:30 施設見学会(日本平夢テラス)
13:10~13:50 施設見学会(資生堂アートテラス)
参加者数: 計16名 士会会員14名、一般2名

【 見学建築物概要 】
・日本平夢テラス 設計:隈研吾建築都市設計事務所 施工:木内建設株式会社 竣工:2018年
・資生堂アートテラス 設計:谷口吉生・高宮真介 施工:株式会社フジタ 竣工:1978年

2023年10月27日(金)、第65回建築士会全国大会 しずおか大会が静岡グランシップにて開催され、その翌日28日(土)、静岡の地にて富山支部主催で県外建築見学会を実施しました。
大会式典では、富山から飯野支部長、阪口憲一さんが連合会会長表彰を受賞されました。
おめでとうございました。
その後、静岡市内で懇親会を開催し、静岡おでんを堪能。大分・熊本・佐賀といった他県との合同の交流会となり大いに盛り上がりました。

富山県メンバーの懇親会が他県との合同交流会に

 

【 10月28日(土) 県外建築見学会 】
「日本平夢テラス」
日本平は静岡県清水市にある標高約300mの丘陵地でこの山頂部に展望施設として2018年に竣工しました。日本平夢テラスは360度遮るものがない地理的条件を最大限に活かした展望施設で、富士山や伊豆半島、南アルプスなどが一見できます。「法隆寺の夢殿」からヒントを得たという八角形のプランニングにより全方位型に展開するデザインと、静岡県産の「富士ヒノキ」を採用した凸凹の外観や小屋組、庇の構成などにより、大変深みのある表情を醸し出していました。展望回廊から眺める富士山と三保松原はまさに絶景の夢テラスでした。

世界遺産の富士山と三保松原が一望

 

「資生堂アートテラス」
静岡県掛川市にある資生堂アートハウスは谷口吉生と高宮真介設計による資生堂の美術館です。谷口吉生が手掛けた最初の美術館建築であり、建築学会賞を受賞したことでその名を世にしらしめた建築でもあります。銅の色合いをした鋼板壁と、陽の光を浴びて輝く銀色のタイル壁が組み合わさったシンプルでかつシャープな外観は築45年を経過した今でも色褪せないデザインでした。内観は写真禁止のため撮影できませんでした。

当日は10月下旬とは思えないほど暖かく天気も快晴で絶好の施設見学会となり、大変有意義な体験となりました。

記事 小見直輝

2023年10月21日(土)~22日(日) 富山ブロック研修事業 県外視察(福井県)に参加

婦負支部さん企画の県外視察に参加してきましたので報告します。
【日時】
2023年10月21日(土)~22日(日)

【企画・開催】
婦負支部

【参加者数】
婦負支部:8名
富山支部:3名

【視察先建築物】
1.福井県年縞博物館(設計:内藤廣建築設計事務所、2018年9月15日開館)
2.一乗谷朝倉氏遺跡 義景館跡 及び 復原町並(特別史跡・特別名勝・重要文化財)
3.福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館(設計:内藤廣建築設計事務所、2022年10月1日開館)
4.福井県立恐竜博物館(設計:株式会社 黒川紀章建築都市設計事務所、2000年7月14日開館、2023年7月14日リニューアルオープン)

【視察詳細】
「1.福井県年縞博物館」
福井県では、名勝「三方五湖」が有名ですが、そのひとつである水月湖の湖底には、多くの奇跡が重なった、世界一の深さの「年縞」が堆積物として形成されています。
その堆積している年縞の深さはなんと45mで、7万年分もの堆積物が層状にきれいに積もっており、その長い時間を見て感じることができる「福井県年縞博物館」が、2018年9月に開館されています。

学芸員ガイドさんの説明によると、博物館の設計コンセプトである「世界一長い45mの年縞を一直線で展示する」のため、縦長の形状としたとのことでした。
動線もシンプルな直線の往復路で、往路の45mで7万年を感じた後、復路では年縞の世界をゆっくり学べる博物館になっていました。

45mの年縞が一直線に展示されている博物館の外観

45mの年縞が一直線に展示されている博物館の外観

「福井県は、その「年縞」の現物を公開し、日本人のみならず福井県に来訪される世界中の皆さんに見ていただく場として年縞博物館を設立しました」(福井県年縞博物館HP「施設紹介 ご挨拶(山根一眞特別館長)」)
ぜひ、みなさまも世界唯一の「45mの年縞」をご覧いただきたいと思いました。

世界唯一の7万年が連続した年縞(実物)が展示されています

【年縞】1年で厚み0.7㎜の堆積物の縞模様 樹脂で固めて保存されています

直線の動線の復路では、年縞について詳しく学ぶ事ができます

 

「2.一乗谷朝倉氏遺跡公園 復原町並」
越前一乗谷遺跡は、日本海と隣国の美濃をつなぐ、人、モノ、情報が行きかう街道であり、戦国時代の500年前から、戦国大名 朝倉氏が5代にわたり治めていた城下町でしたが、敵対した織田信長に町ごと焼き払われ、そのまま水田開発による土壌に埋められた「タイムカプセル」になっていた場所です。
このタイムカプセルによって、保存状態の良さや規模などから、国の「特別史跡」に指定され、戦国大名 朝倉氏の権力と栄華、住民の職業、暮らしぶりなどを示す2343点もの「重要文化財」、「特別名勝」にも指定された屋敷の庭園跡が保存されていました。

水田開発で盛られた土壌によって、信長に焼き払われた町がそのまま埋まっていたので、建物の礎石や用水、塀の石積、井戸、庭石が当時の状態で発掘されたようです

この「特別史跡」「特別名勝」「重要文化財」の3重指定されている場所は、一乗谷朝倉氏遺跡以外に5カ所(※)しかなく、同じ北陸にこんな貴重な場所があることに感動を覚えました。
※京都の金閣寺、銀閣寺、醍醐寺三宝院、奈良の平城宮、広島の厳島神社

戦国時代の500年前の礎石の上に再現された建物の説明をガイドさんから学ぶ

「復元町並」は、遺跡として残っている建物の礎石の上に、発掘された燃え跡の木材や釘、道具、文献などの資料から当時の工法による建物と町並みが詳細に再現されており、当時の住民の生活を想い馳せて街歩きすることができます。
ガイドさんの楽しく知見に富んだ案内で、より一層、街歩きを楽しむことができました。

塀の石垣も当時のまま。城下町の街並みや道路も再現できたので、戦国時代の都市計画の研究にも大変貴重な遺跡。

 

「3.福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館」
館内では、史跡から出土した実物資料を中心に、絵画・文字史料、工芸品、城下町のジオラマや VR復元などで再構成した展示がされており、より深く、戦国大名 朝倉氏と城下町の歴史像が理解できるようになっています。圧巻なのは、朝倉氏の屋敷跡から再現された実物大のお屋敷の一部。
城下町は京都文化が色濃く影響をしていることがわかっており、そのことから、室内の障壁画や押板飾りなどは、京都のお寺を参考にして再現しています。

遺跡や文献などの資料から原寸大で再現された朝倉氏館

豊富な発掘資料などを元にリアルに再現した城下町のジオラマ。町人はすべて資料に基づく職業や暮らしぶりのストーリがあるみたいですが、すべての生活を覗くには1日あっても足りません。

 

「4.福井県立恐竜博物館」
「2024年3月16日新幹線開通により、今後さらなる来館者の増が期待される中で、満足度を維持向上していくため、展示スペースやエントランス・共用スペースの拡充が求められている」(福井県立恐竜博物館HPより)ことから、今年の7月14日に増築を含めてリニューアルオープンした恐竜博物館。
福井県の力の入れようが伝わってきました。

今回のリニューアルオープンの目玉である地下1階地上3階建ての増築部分の常設展示室。愛称は「小たまご」

福井県勝山市手取層群から発掘された新種フクイサウルスをはじめとした、地元福井の名前が付いた恐竜模型が小たまごのホールに展示されています

福井研修参加者(婦負支部8名、富山支部3名)

2023年9月10日 かぐてんぼう隊とやま活動報告②

9月10日(日)
本日のかぐてんぼう隊とやまの活動は家具固定作業1件と、8月30日に行った作業を含めての全体報告会を富山市蜷川地区センターにて行いました。

かぐてんぼう隊とやまの活動は、これまでは富山支部のみの事業でしたが、今年度から富山県の補助金を活用して、県下全域に家具固定ボランティアを広めることを目的とした説明会などの活動も始まり、きょうは婦負支部の竹井氏も実際の作業と報告会に参加されました。宮城県へ家具固定などの作業に出かけておられた経緯もある婦負支部 竹井氏

報告会では、建物構造がRC造の場合の固定方法として、両面テープやボンド、インシュロックを使用した特殊な固定方法についての意見や議論も交わされました。
また、マンションでの作業の場合、管理組合との協議や届出が必要かどうかの事前確認が必要との意見もでました。報告会の様子 富山市蜷川地区センターにて

根塚隊長は「長く続く活動とするためにも、自分たちが楽しみながらも一般の方々に喜んでもらえる活動としていきたい。無事に終わってほっとしている」と総括しました。

報告会の後は恒例の慰労会 最高級カリフォルニアワイン オーパス・ワンで乾杯

 

 

 

2023年8月30日 かぐてんぼう隊とやま活動報告①

2023年8月30日(水)
今日から100年前の1923年9月1日に発生した関東大震災をきっかけに定められた全国防災週間では、毎年8月30日から9月5日の間に全国的に防災に関するイベントや訓練が行われています。

富山支部では、2015年から富山市内の防災自治組織のサポートとして家具転倒防止(かぐてんぼう)ボランティアを行っています。
本日、富山支部有志による「かぐてんぼう隊とやま」は、富山市蜷川地区の高齢者宅の家具固定作業を行ってきました。

家具固定作業 宮下剛隊員

マスコミも集まった蜷川地区センターに行われた出発式にて、蜷川自治振興会 山本繁之会長から「この活動を通じて、地域の防災力が高まってほしい」とあいさつをいただいた後、わたくしたち隊員は、本日4件の高齢者宅を訪問し、家具を固定してきました。

出発式での蜷川自治振興会山本繁之会長のあいさつ

出発式での蜷川自治振興会山本繁之会長のあいさつ

作業に伺ったお宅からは「専門的な仕事は値段が高いと思ったが、安いこともあり申し込んだ。最近は自信が多く、家具の固定化が終わり、とても安心している」(2023.9.1建設工業新聞より引用)とお言葉をいただきました。

マスコミの取材を受ける家具固定依頼者の木戸氏

富樫吉規隊員はマスコミに対して「富山県は地震が少ないが、地道な活動を通じて地域とともに防災意識を高めたい」と話しました。

マスコミの質問に答える富樫吉規隊員

全国大会しずおか大会 県外建築見学会 バスツアー開催のご案内

隈研吾建築都市設計事務所HPより

建築見学会①「日本平夢テラス」 隈研吾建築都市設計事務所HPより

2023年10月27日(金)~28日(土)に開催される第65回建築士会全国大会 しずおか大会参加と県外建築見学会のバスツアーを下記の通り開催いたします。
多くの方のご参加をお待ちしております。

【日 時】
令和 5 年 10 月 27 日(⾦)〜 令和 5 年 10 月 28 日(土)
10/27(金):JR 富山駅北(7:30)−砺波⾼岡 SIC(8:10)−会場到着(15:00)−ホテル着(18:30)
※27 日(金)は宿泊場所近辺にて懇親会(海ぼうず本店:会費 5,000 円)を予定
10/28(土):ホテル出発(9:00)−静岡建築⾒学会−砺波⾼岡 SIC(19:15)−JR 富山駅北(20:00)

【集合場所】
①JR富山駅北
②⾼岡砺波スマートインターチェンジ駐車場

【大会会場】
静岡グランシップ(静岡市駿河区東静岡 2 丁目 3-1)
※27 日(金)は 15:00 の大会式典までに到着の予定(会員外の方は自由行動)

【建築見学会場所 】
日本平夢テラス(1時間)
資生堂アートハウス(1時間)※入館料は無料

【定 員】
先着順 27 名(どなたでも参加できます)

【参加費(交通費) 】
会員 20,000 円 会員外 25,000 円【往復バス代】
会員 10,000 円 会員外 13,000 円【片道バス代】※片道のみの利用も可です

【参加費(宿泊費)】
宿泊場所:静岡第一ホテル(朝食付き)シングル:8,000 円
(禁煙 17 室、喫煙 10 室)※場合によってはご希望に添えない場合がございます
※参加費(交通費及び宿泊費)には飲食費は含まれておりません

【申 込 先】
申込方法①「FAX」
しずおか大会リーフレット(←クリック)を印刷の上、お名前と連絡先、支部名を記入の上、8 月 10 日(木)迄にFAX (076-432-7855)

申込方法②「e-mail」
しずおか大会リーフレット(←クリック)をご一読の上、お名前と連絡先、支部名をkomi@fukumi-aa.co.jp(小⾒直輝宛て)にメール

【建築 CPD】
2単位申請予定

【問 合 先】
富山支部 担当:小⾒直輝(TEL: 090-8966-4700)

建築見学会②「資生堂アートテラス」設計:谷口吉生、高宮真介 資生堂アートハウスHPより