2023年10月21日(土)~22日(日) 富山ブロック研修事業 県外視察(福井県)に参加

婦負支部さん企画の県外視察に参加してきましたので報告します。
【日時】
2023年10月21日(土)~22日(日)

【企画・開催】
婦負支部

【参加者数】
婦負支部:8名
富山支部:3名

【視察先建築物】
1.福井県年縞博物館(設計:内藤廣建築設計事務所、2018年9月15日開館)
2.一乗谷朝倉氏遺跡 義景館跡 及び 復原町並(特別史跡・特別名勝・重要文化財)
3.福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館(設計:内藤廣建築設計事務所、2022年10月1日開館)
4.福井県立恐竜博物館(設計:株式会社 黒川紀章建築都市設計事務所、2000年7月14日開館、2023年7月14日リニューアルオープン)

【視察詳細】
「1.福井県年縞博物館」
福井県では、名勝「三方五湖」が有名ですが、そのひとつである水月湖の湖底には、多くの奇跡が重なった、世界一の深さの「年縞」が堆積物として形成されています。
その堆積している年縞の深さはなんと45mで、7万年分もの堆積物が層状にきれいに積もっており、その長い時間を見て感じることができる「福井県年縞博物館」が、2018年9月に開館されています。

学芸員ガイドさんの説明によると、博物館の設計コンセプトである「世界一長い45mの年縞を一直線で展示する」のため、縦長の形状としたとのことでした。
動線もシンプルな直線の往復路で、往路の45mで7万年を感じた後、復路では年縞の世界をゆっくり学べる博物館になっていました。

45mの年縞が一直線に展示されている博物館の外観

45mの年縞が一直線に展示されている博物館の外観

「福井県は、その「年縞」の現物を公開し、日本人のみならず福井県に来訪される世界中の皆さんに見ていただく場として年縞博物館を設立しました」(福井県年縞博物館HP「施設紹介 ご挨拶(山根一眞特別館長)」)
ぜひ、みなさまも世界唯一の「45mの年縞」をご覧いただきたいと思いました。

世界唯一の7万年が連続した年縞(実物)が展示されています

【年縞】1年で厚み0.7㎜の堆積物の縞模様 樹脂で固めて保存されています

直線の動線の復路では、年縞について詳しく学ぶ事ができます

 

「2.一乗谷朝倉氏遺跡公園 復原町並」
越前一乗谷遺跡は、日本海と隣国の美濃をつなぐ、人、モノ、情報が行きかう街道であり、戦国時代の500年前から、戦国大名 朝倉氏が5代にわたり治めていた城下町でしたが、敵対した織田信長に町ごと焼き払われ、そのまま水田開発による土壌に埋められた「タイムカプセル」になっていた場所です。
このタイムカプセルによって、保存状態の良さや規模などから、国の「特別史跡」に指定され、戦国大名 朝倉氏の権力と栄華、住民の職業、暮らしぶりなどを示す2343点もの「重要文化財」、「特別名勝」にも指定された屋敷の庭園跡が保存されていました。

水田開発で盛られた土壌によって、信長に焼き払われた町がそのまま埋まっていたので、建物の礎石や用水、塀の石積、井戸、庭石が当時の状態で発掘されたようです

この「特別史跡」「特別名勝」「重要文化財」の3重指定されている場所は、一乗谷朝倉氏遺跡以外に5カ所(※)しかなく、同じ北陸にこんな貴重な場所があることに感動を覚えました。
※京都の金閣寺、銀閣寺、醍醐寺三宝院、奈良の平城宮、広島の厳島神社

戦国時代の500年前の礎石の上に再現された建物の説明をガイドさんから学ぶ

「復元町並」は、遺跡として残っている建物の礎石の上に、発掘された燃え跡の木材や釘、道具、文献などの資料から当時の工法による建物と町並みが詳細に再現されており、当時の住民の生活を想い馳せて街歩きすることができます。
ガイドさんの楽しく知見に富んだ案内で、より一層、街歩きを楽しむことができました。

塀の石垣も当時のまま。城下町の街並みや道路も再現できたので、戦国時代の都市計画の研究にも大変貴重な遺跡。

 

「3.福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館」
館内では、史跡から出土した実物資料を中心に、絵画・文字史料、工芸品、城下町のジオラマや VR復元などで再構成した展示がされており、より深く、戦国大名 朝倉氏と城下町の歴史像が理解できるようになっています。圧巻なのは、朝倉氏の屋敷跡から再現された実物大のお屋敷の一部。
城下町は京都文化が色濃く影響をしていることがわかっており、そのことから、室内の障壁画や押板飾りなどは、京都のお寺を参考にして再現しています。

遺跡や文献などの資料から原寸大で再現された朝倉氏館

豊富な発掘資料などを元にリアルに再現した城下町のジオラマ。町人はすべて資料に基づく職業や暮らしぶりのストーリがあるみたいですが、すべての生活を覗くには1日あっても足りません。

 

「4.福井県立恐竜博物館」
「2024年3月16日新幹線開通により、今後さらなる来館者の増が期待される中で、満足度を維持向上していくため、展示スペースやエントランス・共用スペースの拡充が求められている」(福井県立恐竜博物館HPより)ことから、今年の7月14日に増築を含めてリニューアルオープンした恐竜博物館。
福井県の力の入れようが伝わってきました。

今回のリニューアルオープンの目玉である地下1階地上3階建ての増築部分の常設展示室。愛称は「小たまご」

福井県勝山市手取層群から発掘された新種フクイサウルスをはじめとした、地元福井の名前が付いた恐竜模型が小たまごのホールに展示されています

福井研修参加者(婦負支部8名、富山支部3名)

2023年10月21日(土)~22日(日) 富山ブロック研修事業 県外視察(福井県)に参加” に1件のフィードバックがあります

  1. 富樫吉規

    前田さん、早速ブログに掲載いただきましてありがとうございます。
    自分自身も仕事ではよく福井に行きますがなかなかこういったところを回る機会が無く、企画頂いた婦負支部の皆様には感謝感謝です! 参加して良かった。

    返信

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