宮大工技術講習会(応用編)」

◇ 日  時:平成27年9月12日(土) 18:30〜20:30
◇ 会    場:サンシップとやま(富山県総合福祉会館)703号室 富山市安住町5-21
◇ 講    師:森 泰造氏(伝統意匠森工房 代表)
◇ 内  容:木造建築技術の進化と伝承Ⅱ

平成27年9月12日(土)午後6時半より、「宮大工技術講習会(応用編)」が、
伝統意匠森工房代表の森泰造氏を講師に開かれました。
今回は一昨年、昨年に続き3回目となります。
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まずは、仕口の用語
込み栓(こみせん)、鼻栓(はなせん)、打尾(だお)、独鼓(とっこ)、
車知栓(しゃちせん)、千切り(ちぎり)、待ちほぞ(まちほぞ)等を
どんなものか、どの部位で用いられるか、図解で説明して頂きました。
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尺貫法から計量法への変遷
基礎と面積計算以外、尺寸法で表記されているそうです。

木材の耐久性
檜2,000年、欅・杉800年、松200年(いずれも樹齢以上の場合)
コンクリートより長い。

結露・断熱材の施工・仕口金物の防錆・漆塗り等
木材の耐久性が長くても、施工方法によって違ってくる。

 釘の打ち方・ほぞの取り方
手打ちと、機械打ちの違い
「規矩術」差し金の使い方
裏表目盛りが違うのは知っていましたが...。


ここからは感想です。
木造住宅で、昔からの仕口が使われなくなった理由
平成12年の建築基準法改正で、仕口には金物の設置が義務化
されました。

これは、現状と将来を見越した?お役人が、どれだけ手の込んだ
仕口を施しても、職人の技量にばらつきがあり、強度が確保できな
かったり、 大工の人工数がかかり過ぎて需要を満たす住宅が建て
られなくて、経済が 活性化できなかったりすると考えたからだと
思います。

押し角がなくなり、墨付けがプレカットに代わり、一部の文化財保護建物
以外に技術・技能を継承していくことは簡単でない時代になりました。
建築は設計も含めた職人の技術の向上なくしては、良い建築は生まれ
ないと 思います。

それにしても、森さんの博学には驚かされる。
持ってこられた本は、日本の神々、考古学、お城など多岐に渡り、
興味深い 本ばかりでした。
ひとつのことを深く追及していく探究心、これは仕事への情熱の他に、
我慢強い忍耐と根気がいることだと思います。

最後に、木村副委員長より、講義の感想と講師へ謝辞がありました。
次回も開催予定なので、初めて講義を受ける方も大変わかりやすい
内容 ですので、是非御参加ください。
よろしくお願いします。

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