6月29日(土)【防災フォーラム2024】に参加

【建築の日(毎年7月1日)】に併せて、富山県建築設計三会(富山県建築士会、富山県建築士事務所協会、日本建築家協会富山支部富山地域会)主催による「防災フォーラム2024【大地震を経験して】」が富山駅構内にて開催されました。同イベントは今年で4回目。

昨年のフォーラムでは、大地震を経験した熊本県職員と建築士会災害対策委員長を招いて、熊本地震における応急危険度判定の実施状況や熊本県と建築関係団体との連携、建築士の事前防災活動について学んでおりました。

その半年後、われわれは能登半島地震に見舞われ、これまでのフォーラムで得た知見などをチカラにして、行政と連携して応急危険度判定や罹災証明調査などの活動を行うことができました。

そこで、今年の防災フォーラムでは、これまで他県の災害で学んだことと、地震を経験したことを踏まえて、防災と復旧活動に関する展示を多くの人が行きかう富山駅構内で行いました。
防災フォーラム2024ブース紹介はコチラ(toyama-kenchikushikai.or.jp)

富山支部では、家具転倒防止活動「かぐてんぼう隊」の紹介ブースを企画して出展しました。

今年度の富山支部事業方針「減災のために効果的な建築士会活動として、安全・安心な地域づくりを実践活動として行う。」に基づき、富山支部かぐてんぼう隊は、減災のために効果的な家具の転倒防止実施支援をはじめ、地域防災自治振興会や防災士会などと情報交換、協力体制をさらに進めていく予定です。

かぐてんぼう隊ブース

ブース訪問者に説明する山本隊員

ブース訪問者にかぐてんぼう隊活動について説明する山本隊員

ブース訪問者に家具固定方法について説明する根塚隊長と水葉隊員

VR地震体験ブースでは地震時の家具転倒の危険性を体験してもらいました

記事 前田哲宏

2024年5月11日「令和6年度 第54回富山支部全体会」「第11回富山建築クラブ総会」「講演会」「交流会」

2024年5月11日(土)
①15:45~16:00 富山支部活動報告
②16:00~16:30 富山支部全体会、富山建築クラブ総会
③16:45〜17:55 講演会「空家の再生、まちを動かす!」
講師:小西正明氏(一般社団法人アキヤラボ代表理事、小西不動産代表取締役)
④18:30~20:30 交流会 とやま自遊館「シャトー」

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① 富山支部活動報告会
動画にて令和5年度の活動報告(動画制作:石坂昌夫氏)
YouTube版リンク:https://youtu.be/phcnFTj3EvU

動画と解説で前年度を振り返りました

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➁ 第54回富山支部全体会、第11回富山建築クラブ総会

飯野美代子 富山支部長の開会挨拶

来賓 西野晴仁 富山県建築士会会長のご挨拶

飯野支部長の挨拶、本会:西野晴仁会長の来賓ご挨拶に続き、
第一部 第54回富山支部全体会
・第1号議案 令和5年度事業報告の件
・第2号議案 令和5年度事業収支決算報告の件
・第3号議案 令和6年度富山支部役員(案)の件
・第4号議案 令和6年度事業方針(案)の件
・第5号議案 令和6年度事業計画及び収支予算報告の件
上記全ての議案について説明を行い出席者(21名)より承認をいただきました。
第二部 第11回富山建築クラブ総会
・報告事項1 令和5年度事業報告、決算書、監査報告の件
・第1号議案 令和6年度役員の件
・第2号議案 令和6年度事業方針及び事業計画の件
・第3号議案 令和6年度予算書の件
上記全ての議案について説明を行い出席者(21名)より承認をいただきました。

※総会資料の閲覧はコチラ↓
令和6年度建築士会富山支部全体会議案書

石坂昌夫 議長により「富山支部全体会」「富山建築クラブ総会」が円滑に進められました

飯野美代子(支部長)と富樫吉規(総務)による各報告

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③ 講演会「~空家の再生、まちを動かす!~」
講師:小西正明氏
一般社団法人アキヤラボ代表理事
小西不動産代表取締役

講演会の様子

講師 小西正明((一社)アキヤラボ代表理事・小西不動産代表取締役)

全国的に生じている空き家対策のヒントとして小西氏が住まう井波町の空き家対策の実例を交えての講演をいただきました。(受講者35名)

小西氏は令和2年~令和5年の間に井波町の空き家を28軒も減らしたという素晴らしい実績をお持ちでした。

この実績の背景には空き家を減らすことにフォーカスするのではなく移住の希望者に井波のまちを好きになってもらう、言い換えれば井波のファンになってもらうことにフォーカスすることが必要だとの小西氏の考えがありました。またこのことは移住希望者を小西氏がしっかりフィルターをかけて選んでいることにも繋がっているようで、この過程を経て選ばれた移住希望者だからこそ井波のまちに愛着をもち定住や事業の継続を可能にしているとのことでした。

講演中には小西氏ご自身が一番の井波ファンであるという「井波まちへの愛」が強く伝わってきました。その小西氏の「井波まちへの愛」に賛同する地元の他団体との間にも移住者の受け入れ側としての連携が整ってきているようで「空き家の再生」には移住者側と受け入れ側の双方に「まちへの愛」が不可欠だということがわかりました。

小西氏は今後、新たにNPO法人を立ち上げられるとのことでした。このことは小西氏が「空き家の再生」を軸とした「まちを動かす」原動力になる決意表明と私達は解釈させていただきました。今後、小西氏や小西氏のまわりを取り巻く人々の活動によって井波のまちがどのように再生していくのかを期待すると同時に建築士である私達も今後どのように空き家問題に対峙し建築士としての職能を活かすべきかのヒントをいただきました。

「小西講師、本当にありがとうございました。」

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④ 交流会
会場:とやま自遊館「シャトー」
参加人数:22名

講師の小西正明氏も交えて楽しい時間を過ごしました

毎年最初の事業がこの全体会です。無事終了したと同時に今年度がスタートしました。

今回の全体会で承認いただいた事業計画に基づいて事業が展開されていきます。皆さん今年も楽しく事業に参加していただき充実した1年にしましょう!

記事 室谷外幸

R6 富山支部活動報告・全体会・講演会・交流会 ご案内

富山支部活動報告・富山支部全体会及び富山建築クラブ総会・講演会・交流会を開催します。
令和5年度の富山支部活動を記録動画や写真を通して振り返り、富山支部全体会に続き、空き家の再生をテーマにした講演会を開催します。皆様のご来場、ご参加をお待ちしております。

富山県建築士会富山支部 活動報告・全体会・講演会・交流会
日 時  令和6年5月11日(土)  受付開始 15時15分
会 場  オーバード・ホール 1階ハイビジョンシアター

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2023年10月27日(金)~28日(土) 第65回建築士会全国大会しずおか大会・県外建築見学会

大会会場の静岡グランシップ

大会会場の静岡グランシップ

【 第65回建築士会全国大会しずおか大会・見学会内容 】
2023年10月27日(金) 14:30~17:00 第65回建築士会全国大会 大会式典
2023年10月28日(土) 09:45~10:30 施設見学会(日本平夢テラス)
13:10~13:50 施設見学会(資生堂アートテラス)
参加者数: 計16名 士会会員14名、一般2名

【 見学建築物概要 】
・日本平夢テラス 設計:隈研吾建築都市設計事務所 施工:木内建設株式会社 竣工:2018年
・資生堂アートテラス 設計:谷口吉生・高宮真介 施工:株式会社フジタ 竣工:1978年

2023年10月27日(金)、第65回建築士会全国大会 しずおか大会が静岡グランシップにて開催され、その翌日28日(土)、静岡の地にて富山支部主催で県外建築見学会を実施しました。
大会式典では、富山から飯野支部長、阪口憲一さんが連合会会長表彰を受賞されました。
おめでとうございました。
その後、静岡市内で懇親会を開催し、静岡おでんを堪能。大分・熊本・佐賀といった他県との合同の交流会となり大いに盛り上がりました。

富山県メンバーの懇親会が他県との合同交流会に

 

【 10月28日(土) 県外建築見学会 】
「日本平夢テラス」
日本平は静岡県清水市にある標高約300mの丘陵地でこの山頂部に展望施設として2018年に竣工しました。日本平夢テラスは360度遮るものがない地理的条件を最大限に活かした展望施設で、富士山や伊豆半島、南アルプスなどが一見できます。「法隆寺の夢殿」からヒントを得たという八角形のプランニングにより全方位型に展開するデザインと、静岡県産の「富士ヒノキ」を採用した凸凹の外観や小屋組、庇の構成などにより、大変深みのある表情を醸し出していました。展望回廊から眺める富士山と三保松原はまさに絶景の夢テラスでした。

世界遺産の富士山と三保松原が一望

 

「資生堂アートテラス」
静岡県掛川市にある資生堂アートハウスは谷口吉生と高宮真介設計による資生堂の美術館です。谷口吉生が手掛けた最初の美術館建築であり、建築学会賞を受賞したことでその名を世にしらしめた建築でもあります。銅の色合いをした鋼板壁と、陽の光を浴びて輝く銀色のタイル壁が組み合わさったシンプルでかつシャープな外観は築45年を経過した今でも色褪せないデザインでした。内観は写真禁止のため撮影できませんでした。

当日は10月下旬とは思えないほど暖かく天気も快晴で絶好の施設見学会となり、大変有意義な体験となりました。

記事 小見直輝

2023年10月21日(土)~22日(日) 富山ブロック研修事業 県外視察(福井県)に参加

婦負支部さん企画の県外視察に参加してきましたので報告します。
【日時】
2023年10月21日(土)~22日(日)

【企画・開催】
婦負支部

【参加者数】
婦負支部:8名
富山支部:3名

【視察先建築物】
1.福井県年縞博物館(設計:内藤廣建築設計事務所、2018年9月15日開館)
2.一乗谷朝倉氏遺跡 義景館跡 及び 復原町並(特別史跡・特別名勝・重要文化財)
3.福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館(設計:内藤廣建築設計事務所、2022年10月1日開館)
4.福井県立恐竜博物館(設計:株式会社 黒川紀章建築都市設計事務所、2000年7月14日開館、2023年7月14日リニューアルオープン)

【視察詳細】
「1.福井県年縞博物館」
福井県では、名勝「三方五湖」が有名ですが、そのひとつである水月湖の湖底には、多くの奇跡が重なった、世界一の深さの「年縞」が堆積物として形成されています。
その堆積している年縞の深さはなんと45mで、7万年分もの堆積物が層状にきれいに積もっており、その長い時間を見て感じることができる「福井県年縞博物館」が、2018年9月に開館されています。

学芸員ガイドさんの説明によると、博物館の設計コンセプトである「世界一長い45mの年縞を一直線で展示する」のため、縦長の形状としたとのことでした。
動線もシンプルな直線の往復路で、往路の45mで7万年を感じた後、復路では年縞の世界をゆっくり学べる博物館になっていました。

45mの年縞が一直線に展示されている博物館の外観

45mの年縞が一直線に展示されている博物館の外観

「福井県は、その「年縞」の現物を公開し、日本人のみならず福井県に来訪される世界中の皆さんに見ていただく場として年縞博物館を設立しました」(福井県年縞博物館HP「施設紹介 ご挨拶(山根一眞特別館長)」)
ぜひ、みなさまも世界唯一の「45mの年縞」をご覧いただきたいと思いました。

世界唯一の7万年が連続した年縞(実物)が展示されています

【年縞】1年で厚み0.7㎜の堆積物の縞模様 樹脂で固めて保存されています

直線の動線の復路では、年縞について詳しく学ぶ事ができます

 

「2.一乗谷朝倉氏遺跡公園 復原町並」
越前一乗谷遺跡は、日本海と隣国の美濃をつなぐ、人、モノ、情報が行きかう街道であり、戦国時代の500年前から、戦国大名 朝倉氏が5代にわたり治めていた城下町でしたが、敵対した織田信長に町ごと焼き払われ、そのまま水田開発による土壌に埋められた「タイムカプセル」になっていた場所です。
このタイムカプセルによって、保存状態の良さや規模などから、国の「特別史跡」に指定され、戦国大名 朝倉氏の権力と栄華、住民の職業、暮らしぶりなどを示す2343点もの「重要文化財」、「特別名勝」にも指定された屋敷の庭園跡が保存されていました。

水田開発で盛られた土壌によって、信長に焼き払われた町がそのまま埋まっていたので、建物の礎石や用水、塀の石積、井戸、庭石が当時の状態で発掘されたようです

この「特別史跡」「特別名勝」「重要文化財」の3重指定されている場所は、一乗谷朝倉氏遺跡以外に5カ所(※)しかなく、同じ北陸にこんな貴重な場所があることに感動を覚えました。
※京都の金閣寺、銀閣寺、醍醐寺三宝院、奈良の平城宮、広島の厳島神社

戦国時代の500年前の礎石の上に再現された建物の説明をガイドさんから学ぶ

「復元町並」は、遺跡として残っている建物の礎石の上に、発掘された燃え跡の木材や釘、道具、文献などの資料から当時の工法による建物と町並みが詳細に再現されており、当時の住民の生活を想い馳せて街歩きすることができます。
ガイドさんの楽しく知見に富んだ案内で、より一層、街歩きを楽しむことができました。

塀の石垣も当時のまま。城下町の街並みや道路も再現できたので、戦国時代の都市計画の研究にも大変貴重な遺跡。

 

「3.福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館」
館内では、史跡から出土した実物資料を中心に、絵画・文字史料、工芸品、城下町のジオラマや VR復元などで再構成した展示がされており、より深く、戦国大名 朝倉氏と城下町の歴史像が理解できるようになっています。圧巻なのは、朝倉氏の屋敷跡から再現された実物大のお屋敷の一部。
城下町は京都文化が色濃く影響をしていることがわかっており、そのことから、室内の障壁画や押板飾りなどは、京都のお寺を参考にして再現しています。

遺跡や文献などの資料から原寸大で再現された朝倉氏館

豊富な発掘資料などを元にリアルに再現した城下町のジオラマ。町人はすべて資料に基づく職業や暮らしぶりのストーリがあるみたいですが、すべての生活を覗くには1日あっても足りません。

 

「4.福井県立恐竜博物館」
「2024年3月16日新幹線開通により、今後さらなる来館者の増が期待される中で、満足度を維持向上していくため、展示スペースやエントランス・共用スペースの拡充が求められている」(福井県立恐竜博物館HPより)ことから、今年の7月14日に増築を含めてリニューアルオープンした恐竜博物館。
福井県の力の入れようが伝わってきました。

今回のリニューアルオープンの目玉である地下1階地上3階建ての増築部分の常設展示室。愛称は「小たまご」

福井県勝山市手取層群から発掘された新種フクイサウルスをはじめとした、地元福井の名前が付いた恐竜模型が小たまごのホールに展示されています

福井研修参加者(婦負支部8名、富山支部3名)