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パネルディスカッション「富山市との災害時支援協定(避難所の安全確認支援)を考える」平成29年11月17日(金)

・富山市と建築3会が「地震災害時における被災建築物の応急対策活動の協定に関する協定書」を調印しましたが、その協定の実効性及び関係者の意識をより高めるため、この度パネルディスカッションを開催しました。
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平成28年度 富山支部全体会・講演会・交流会

 

2015年5月14日(土)16:00より第46回富山支部全体会及び富山建築クラブ総会並びに記念講演会を富山オーバードホールにて開催しました。

resize0092当日の配布資料(議案書等)はこちら↓↓↓↓
H28建築士会富山支部全体会・建築クラブ議案書

山本幹史支部長よりご挨拶。

 

 

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ご来賓の中野健司建築士会長よりご挨拶。

 

 

 

 

この後、議事に移り、順調に審議は進みます。

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山本支部長より西野晴仁新支部長へバトンタッチ。
富山支部は新しい体制でスタートしました。

山本様、4年間お疲れ様でした。

 

 

全ての議案について審議は無事終了し、富山建築クラブの総会も無事終了しました。

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会場では熊本地震義援金募金箱を設置し、
皆様からの志をお預かりしました。
ありがとうございました。
義援金は熊本県建築士会へ送らせて頂きます。

今年度も継続して実施予定の「かぐてんぼう隊」事業で使用する
金具等の展示も行いました。

 

 

 

富山支部の平成28年度事業方針として、
「支部事業の原点 地域支援活動 実践」
安全・安心な地域づくりのための効果的な建築士会活動として、
減災を軸とした地域支援活動を実践活動として行う。

事を掲げております。
「かぐてんぼう隊」事業を軸として、今後も積極的に地域支援活動に取り組んでいきたいと思います。

 

・全体会に引き続き、記念講演会を開催しました。
富山大学芸術文化学部教授、上原雄史先生を講師にお招きしました。
講演会パンフレット
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「逆立ち建築 インターナショナル対地方」

過去の海外や日本国内での活動並びに、
現在の富大における講義内容、
今後の展望について幅広く講演頂きました。
上原先生ありがとうございました。

 

・講演会終了後、富山自遊館に場所を移し交流会を開催。
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建築士事務所協会、堂田会長よりご挨拶を頂きました。

講演頂いた上原先生を囲み講演会では聞けなかったお話にも盛り上がってました。

富山支部会員相互の交流を大いに深めることが出来ました。

 

 

 

 

富山支部
富樫吉規

防災フォーラム

2014年11月22日(土)、富山市オーバードホール ハイビジョンシアターにおいて富山ブロック事業
「防災フォーラム」を開催しました。

安全神話に慣れている私たち富山県民にとって、いざという時の心の準備は出来ているのでしょうか?東日本大震災から4年近く経過しましたが、関係者間の情報の共有や連携を進める仕組みはまだまだ心細いのが現状です。ここ富山県においても「万が一」の災害が起こった際、私たち建築士会は何が出来、何が必要なのか。減災のためにどんな準備と活動が必要か、被災時には何が求められるのかを明らかにする事を目的として本フォーラムを開催しました。
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◆基調講演◆
「東日本大震災にどう立ち向かったか」
宮城県建築士会・女性部会会長 清本多恵子様

現状として、今でも7万人近い被災者の方が仮設住宅で生活されているが、仮設住宅の断熱・結露・カビ対策の点において中越地震の際の教訓が生かされておらず、不自由な生活が続いている。
復興における「生活再建」が迅速に求められるが、住宅建設はハウスメーカーや他県の住宅業者による着工件数が多い現状。地元の工務店や大工さんは顧客の家の修理に追われ、住宅新築を引き受ける事が出来ず、その結果地域の材料を活用した「地域型復興住宅」の建設が進んでいない。災害公営住宅の建設は進んでいるが、様々な地域で住んでいた人が引っ越してくる事が多いので、新たなコミュニティを形成していく事や、元々の仮設住宅で育まれた自治会活動ができなくなる等、人間の繋がりに関する新たな問題についても説明されました。
何故、仙台であれほどの規模の災害になってしまったのか。高度経済成長期である1960年頃を境にして、自然災害への対処方法がそれまでの「自然に逆らわない住み方」から「自然に立ち向かう方法」に変わってしまった。所得倍増計画により経済的な余裕が出来た事で防災構造物の建造が可能になった事ではあるものの、それには限界があることを忘れていた。

高度成長期の人口の増加に対応する為、周辺の山を削り、谷を埋めて新興住宅地が建設された。
ここに作られた住宅地の多くで宅地の崩落が有り、その結果、危険宅地と判定されたのが3000箇所にのぼっている。
現在宮城県沿岸部に防潮堤の建設が進められているが復旧工事として行われる防潮堤の建設工事は環境影響評価の対象外であり住民説明はおろか住民合意も必要ない。主に盛土の上にコンクリートブロックを載せる構造が多いが、耐用年数や生態系の配慮などの観点から議論が起きている。

今回の震災で多くの歴史的建築物が失われた事も踏まえ、宮城県建築士会では平成25年度より「ヘリテージマネージャー養成講座」を開始。先人たちが築いた建築物も私たちの宝。構造体には影響が無いにも関らず、瓦がずれたり、土壁が落ちた程度で、震災後に20棟もの蔵が解体された村田町が重要伝統的構造保存地区に選定されている。

福島原発の周辺では未だ帰宅困難地域の解除が進んでいない。除染して放射線量が下っても山林の除染は対象外である。きのこや山菜を採って生活してきたふるさとの里山には帰れない。

最近、女性部会において「記憶の中の住まい」プロジェクトを開始。豊な自然と「おまかない(おすそ分け)」という習慣のあった仙台市荒浜地区において地区住民の生活の記憶を少しでも形にして残そうと、記憶の中の住まいを傾聴して間取り図の作成を行いプレゼントする活動を行っている。

時計の針を逆に回すことは出来ない。経済成長し、高齢化が進んでいる現状においても自然とともに生き、ふるさとを再生したいと願う。そんな復興に向けて今も東日本大震災に立ち向かっている。

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◆パネルディスカッション◆
「地震被害を最小限にとどめるために」

パネラーは引続いて清本女性部会長、宮城県建築士会・女性部会副会長の星ひとみ様、新潟中越地震で活動された新潟県建築士会の片桐三郎様、富山県建築士会より小林専務理事、山本富山支部長、司会は今村副会長です。

◇星副部会長より応急危険度判定に関して
「被災した家は壊せばゴミだが直せば元の家」
応急危険度判定において「危険」と判定された建物は全壊・半壊とイコールではない。居住者は赤い紙を貼られると早々に解体を決めてしまうことが多い。実際罹災証明の全壊判定が出ると義援金や解体無料などの行政サービスを受けられる事も原因の一つ。
壊せばゴミだけど、直せばまだまだ住める住宅もあるので、判定する建築士は建築主に対して誤解を招かない説明が必要である。
震災直後に電気、ガス、水道、固定電話等のインフラが途絶える中、唯一の情報源はラジオであった。携帯電話は電波の回復に1週間以上かかり、応急危険度判定の連絡も来なかった。
道路が寸断され、ガソリン不足もあり移動が困難であったが、自らバイクで出向いて判定作業を行っていた。宮城士会本部事務局も被災していた為マニュアル通りの判定活動に支障があった。多くの判定士が自らも被災した中で辛い思いをしながらも判定活動を行っていた事等、当時の事を振り返りながらの貴重な意見をいただきました。
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◇新潟県建築士会の片桐様より新潟県中越地震の際の自らの活動を振り返り、地元工務店の役割の重要性や被災者住宅において、仮設住宅に入居するのではなく、半壊以上の被害を受けた住宅を再建する被災者への支援として、行政への働きかけ等の経験を基に生活再建・住宅応急修理支援制度の創設にも携わった経験を基にお話いただきました。

◇山本支部長より平成24年7月に行った被災地訪問をはじめとするこれまでの富山支部における防災に関する事業の説明・報告が行われ、今後はこの防災に関する活動を全県で取組む課題とする事、建築関係団体及び県や市町村との連携等視野を広げて活動していく事、建築士会における防災委員会を創設し、防災協定対応や応急危険度判定等対応での組織編成に向けての取組みや具体的行動について提言されました。

◇小林専務理事からは災害が発生した場合、被害を最小限にとどめる方策、後処理を迅速に進めるための事前復興の重要性に関して。津波の脅威は対策が難しいが、今後の重要な課題である。建築士、工務店や建設業者、行政側それぞれの立場で防災について取組む事の重要性についてお話されました。更に、減災の為に各家庭での家具の転倒防止対策が今後重要な課題であること、建築士会としても今後このことについて取り組むべきではないか、との意見をいただきました。

最後に質疑応答の時間も設けられましたが、会場内からは活発な意見をたくさんいただき、参加された方々も真剣に聴講さていました。

 

◆パネル展示◆
宮城県の各市町村の被災の状況
宮城県建築士会における応急危険度判定の活動状況
復興共同住宅の建設状況についての展示

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(富樫吉規)