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令和元年度 第29回全国女性建築士連絡協議会(東京)

令和元年7月13日(土)、14日(日)、日本建築学会建築会館ホール 他にて第29回全国女性建築士連絡協議会が開催されました。

テーマ:「未来へつなぐ居住環境づくり」—和の伝統技術の継承と創造—

内 容:開会式、活動報告、基調講演、交流会、分科会、全体会(分科会報告・閉会式等)

基調講演:「和の伝統技術の継承と創造 〜新たなプロの育て方〜」 講師:原田 宗亮氏

参加人数:全国の女性建築士約240名

 

全建女に先立ち、全国委員長会議が行われ47都道府県の委員長・部会長(代理含む)が集まりました。開会挨拶では三井所清典連合会会長から全建女開催テーマにちなみ、「日本的なものは心地よい感性として私たちに染み付いている。無くしてはいけない。そして、古いものを守っていくには今に融合させなければならない」とのお話がありました。本当にそうだなと改めて感じました。

また、各委員長からは1分という短い持ち時間で、昨年度の活動報告や今年度の活動予定など目一杯の報告を行いました。また、手元には各県で作成されている活動報告シートや冊子が配布され、各県の皆さん色々工夫して活動されている様子がわかりました。

基調講演では、多くの女性職人が在籍する(有)原田左官工業所代表の原田氏より、新しい左官の表現の幅を広げる工夫、社内の女性が働きやすい環境づくりについて、職人を育てる工夫・取り組みについてのお話がありました。中でも、大変な中にも楽しくやりがいを感じる育成法の取り組みは伝統技術を守る上で大切な事だと感じました。時代が変われば、育成法も変わります。

続いて「トークセッション」では、原田氏と原田氏の元から独立した女性職人の金澤 萌氏のお話を聞く事ができました。

女性職人誕生の際には、男性には無い発想で新たなビジネスにつながるメリットがある反面、男性からの反発も強く、根付かせるまでは大変だったこと、また、金澤氏からは、「なんと言っても現場でのトイレが大変」、「重たい荷物は慣れれば運べるようになる」などリアルなエピソードを沢山聞くことができました。

「活動報告」では岩手県、秋田県の活動について発表がありました。

「被災地報告」では、

北海道より胆振東部地震について、前日の台風による降雨量が多かったことが大規模な土砂崩れにつながったこと、また、大規模な停電が北海道全体に被害を与えたこと、地震後、北海道建築士会では被災された方を対象に「住宅相談」を開催したことなどの報告がありました。

福島県からは原子力災害による避難者数の推移や期間困難区域の現状、

岡山県からは、西日本豪雨の被害状況、その被害状況とハザードマップが一致していたこと等の報告があり、改めてハザードマップの周知や理解の必要性と、直接被害がなくても物が手に入らなくなる事への備えの大切さの呼びかけがありました。

2日目の分科会では、G分科会「高齢者と住まい」に参加しました。

岐阜県建築士会には会長が任命する「福祉まちづくり建築士制度」があり、これに取り組んでいた「福祉まちづくり部会」では、介護保険制度や地域包括ケアシステムとの連携を進めるため「福祉まちづくり建築士相談員制度」を開始。

この制度の周知のため地元の地域包括ケアセンターに挨拶まわりをし「福まち建築士」紹介。まずは、無料相談会への相談員派遣を行っており、リフォーム等で有効に関わることが出来ることを目指している という大変興味深い事例の紹介がありました。

「福祉まちづくり建築士」48名の3分の1は女性建築士であり、「福祉まちづくり部会」は「女性委員会」と強くリンクしている ということも驚きました。

富山県建築士会でも具体的な福祉への取り組みが必要ではないかと感じます。

最後の全体会では各分科会の報告や来年の福岡県での全建女開催案内があり、多くの女性建築士の参加の中、閉会となりました。