令和元年度活動報告

例年なら、活動報告会を開いて昨年度の活動について詳しくご報告していますが、今年は新型コロナウィルス感染拡大防止の為、活動報告会を中止いたしました。

昨年度の活動をまとめた画像をアップいたしますので、どうぞご覧ください。

 

令和元年度 空き家に関する相続の問題を学ぶ

開催日:令和元年9月25日(水)14:00〜16:00

開催場所:富山県総合情報センター4階第1会議室

講師:吉村 征一郎氏(株式会社不動産のSTEPUP代表取締役)

昨年度に引き続き「空き家・既存建物の活用を考える」をテーマに、空き家等の活用に取り組む際に思わぬハードルになりかねない相続の問題について、相続の基本の流れ、手続きの流れなど、建築士が知っておきたい相続の知識について学びました。

講師の先生は、行政書士で宅地建物取引士で、相続診断士もある吉村征一郎氏。

知識や経験豊富な吉村氏から、事例を交えながら分かりやすく説明をいただきました。

参加の皆さんは、真剣に耳を傾けていました。

なぜ空き家が増えているのか、それは相続できない、相続しにくい不動産が増えていることに原因があることや、実際の実例を挙げての相続の問題点、相続の流れをきちんと理解しておくことの必要性など、これから私たちが遭遇するであろう相続について知ることができ、大変勉強になりました。

配布された資料ですが、民法大改正の内容についても触れていただきました。

質疑応答では、活発に質問をいただき、ホワイトボードを使って分かりやすく説明をいただきました。

受講者からは、相続の流れや相続後の責任について知ることができてよかったなどのお声をいただき、充実した内容の研修会となりました。

建築士として、相続物件に携わる機会もあるかと思いますが、学んだことを活かしながら、今後業務に取り組んでいこうと思います。

 

 

 

 

令和元年度 第29回全国女性建築士連絡協議会(東京)

令和元年7月13日(土)、14日(日)、日本建築学会建築会館ホール 他にて第29回全国女性建築士連絡協議会が開催されました。

テーマ:「未来へつなぐ居住環境づくり」—和の伝統技術の継承と創造—

内 容:開会式、活動報告、基調講演、交流会、分科会、全体会(分科会報告・閉会式等)

基調講演:「和の伝統技術の継承と創造 〜新たなプロの育て方〜」 講師:原田 宗亮氏

参加人数:全国の女性建築士約240名

 

全建女に先立ち、全国委員長会議が行われ47都道府県の委員長・部会長(代理含む)が集まりました。開会挨拶では三井所清典連合会会長から全建女開催テーマにちなみ、「日本的なものは心地よい感性として私たちに染み付いている。無くしてはいけない。そして、古いものを守っていくには今に融合させなければならない」とのお話がありました。本当にそうだなと改めて感じました。

また、各委員長からは1分という短い持ち時間で、昨年度の活動報告や今年度の活動予定など目一杯の報告を行いました。また、手元には各県で作成されている活動報告シートや冊子が配布され、各県の皆さん色々工夫して活動されている様子がわかりました。

基調講演では、多くの女性職人が在籍する(有)原田左官工業所代表の原田氏より、新しい左官の表現の幅を広げる工夫、社内の女性が働きやすい環境づくりについて、職人を育てる工夫・取り組みについてのお話がありました。中でも、大変な中にも楽しくやりがいを感じる育成法の取り組みは伝統技術を守る上で大切な事だと感じました。時代が変われば、育成法も変わります。

続いて「トークセッション」では、原田氏と原田氏の元から独立した女性職人の金澤 萌氏のお話を聞く事ができました。

女性職人誕生の際には、男性には無い発想で新たなビジネスにつながるメリットがある反面、男性からの反発も強く、根付かせるまでは大変だったこと、また、金澤氏からは、「なんと言っても現場でのトイレが大変」、「重たい荷物は慣れれば運べるようになる」などリアルなエピソードを沢山聞くことができました。

「活動報告」では岩手県、秋田県の活動について発表がありました。

「被災地報告」では、

北海道より胆振東部地震について、前日の台風による降雨量が多かったことが大規模な土砂崩れにつながったこと、また、大規模な停電が北海道全体に被害を与えたこと、地震後、北海道建築士会では被災された方を対象に「住宅相談」を開催したことなどの報告がありました。

福島県からは原子力災害による避難者数の推移や期間困難区域の現状、

岡山県からは、西日本豪雨の被害状況、その被害状況とハザードマップが一致していたこと等の報告があり、改めてハザードマップの周知や理解の必要性と、直接被害がなくても物が手に入らなくなる事への備えの大切さの呼びかけがありました。

2日目の分科会では、G分科会「高齢者と住まい」に参加しました。

岐阜県建築士会には会長が任命する「福祉まちづくり建築士制度」があり、これに取り組んでいた「福祉まちづくり部会」では、介護保険制度や地域包括ケアシステムとの連携を進めるため「福祉まちづくり建築士相談員制度」を開始。

この制度の周知のため地元の地域包括ケアセンターに挨拶まわりをし「福まち建築士」紹介。まずは、無料相談会への相談員派遣を行っており、リフォーム等で有効に関わることが出来ることを目指している という大変興味深い事例の紹介がありました。

「福祉まちづくり建築士」48名の3分の1は女性建築士であり、「福祉まちづくり部会」は「女性委員会」と強くリンクしている ということも驚きました。

富山県建築士会でも具体的な福祉への取り組みが必要ではないかと感じます。

最後の全体会では各分科会の報告や来年の福岡県での全建女開催案内があり、多くの女性建築士の参加の中、閉会となりました。

 

 

令和元年度 活動報告会&リノベーション見学会・講演会

日時:令和元年5月22日(水)

会場:町家オフィスma.ba.lab

講演会:講師 建築家 濱田修氏

見学会:水辺の民家ホテル カモメとウミネコ

 

令和元年度の女性委員会の活動がスタートしました。

元号が変わり初めての活動報告会は、町家オフィスma.ba.labをお借りして開催しました。女性委員会では今年度も「空き家・既存建物の活用について考える」をテーマに活動をしていきます。

今年度1回目の今回は、活動報告会にあわせて、築約100年の町家を小さなホテルに改修したリノベーション事例の見学会と講演会を開催しました。

講演会では設計を担当した 建築家 濱田修氏から、古い民家を改修し新たな役割(営み)を持つことで町の賑わいを創出できること、また、リノベーションをジャズセッションに例えたお話などをお聞きしました。担当スタッフの神田さんからは、ホテルとしてコンバージョンするために粘り強く行った関係機関への手続きの経緯をお話いただいて、大変勉強になりました。

 

見学会では、オーナーのグリーンノートレーベル 明石博之氏からもお話をお聞きしながら、ホテル経営の具体的な「カモメ」と「ウミネコ」の2棟をじっくりと見学させていただきました。ホテルは古さを活かしながらも、快適な設備と、センスの良いインテリア空間となっていました。

見学会のあとは、「ウミネコ」のダイニングキッチンでライブキッチンで用意されたお料理をいただきながら懇親会を行いました。ひととき、ホテルで過ごす時間を体験することができました。

建物やホスピタリティ溢れる運営もとっても魅力的でしたが、内川の水辺で室内からもゆっくりと景色を眺めながら穏やかな時間を過ごすことの出来るこのホテルには、他には無い魅力を感じ、きっと多くのお客様が訪れることになるのだろうなぁと感じました。

リノベーションには新築とは違った難しさがある反面、大きな可能性や魅力もあり、その実現には沢山のハードルがあることを改めて感じました。今年度も沢山学び、空き家等の活用に活かしていきたいと思います。

 

今回の企画は皆さんに大変興味を持っていただいて、定員を超える方から申込・問い合わせをいただきました。また、新聞社さんからも取材をいただき、丁寧な記事を掲載いただきました。

ありがとうございました。

20190524建設新報記事

 

 

 

平成30年度東海北陸ブロック亀山大会

■開催日時:2月23日(土)・24日(日)

■開催場所:三重県亀山市 亀山文化会館周辺 見学会:関宿・関中学校周辺

■大会テーマ:まちなみ・保存と活用~三つの「繋がり」が重なる三重~

 青空の下、とても清々しい気持ちでボランティアガイドさんや女性委員会に解説して頂きながら関宿の街並みの散策をしました。

道幅や周囲の建物、そして電柱がない街並みがとても良い雰囲気でした。また季節柄、お雛さまを飾っておられる建物もあり、タイムスリップしたような気持ちになる街並みでした。見学させて頂いた建物では、住まわれている方が直々にそれぞれの思いを語って下さり、関宿に住まわれている方々のあつい思いを感じました。

 また、亀山市立関中学校の見学では、地元の杉材や県産材の杉集成材、国産唐松集成材を使用したダイナミックな内部空間と、山並の背景にとけ込むような外観がとても印象的でした。

見学会の後の分科会では、NPO法人亀山文化資産研究会会長 中浦豊子氏による講演会が行なわれ、歴史的建造物を継続して保存・活用していくための取組みなどをお話して頂きました。

関宿でも、建物の解体寸前で所有者さんの理解を得る事ができ、建物を保存活用までに至ったお話や、関宿の伝統的建造物の主な仕様の特徴をデザインカタログとして作成されたお話、「お城で七五三の写真を撮ろう」や町屋保存修理工事現場見学会等を通して、一般の方にも広く伝統的建造物に興味を持ってもらうための取組みをされているお話は、とても興味深かったです。また、そんな取組の結果が関宿の街並みのすばらしさや住む人達のあつい思いに繋がっているんだと感じました。

その他、懇親会、座談会、2日目の後期ブロック会議と閉会式などなど・・・三重県建築士会の方々の温かいおもてなしのおかげで、沢山の方々と交流でき学ぶ事の多い2日間でした。