一般の部
入賞 富山市立豊田小学校・北学校給食センター
- 所在地
- 富山県富山市米田2-1
- 建築面積
- 9775.17m²
- 延床面積
- 14293.97m²
- 竣工
- 平成21年1月26日
- 建築主
- 富山市
- 設計
- (株)福見建築設計事務所
- 施工
- [A工区]石坂建設(株)・(株)今浦・島田建設工業(株)JV
[B工区]相澤建設(株)・(株)北越綜合建設・(株)四谷工務店JV
[C工区]日本海建興(株)・(株)清水工務店・(株)中道工務店JV
[体育館工区]辻建設(株)・村松建設(株)JV
[プール工区]松栄建設(株)
[給食センター]林建設工業(株)・(株)北新建工・富建設(株)JV
講評
1学年5クラスという大規模な小学校だが、エントランス広場から見るファサードは低く抑えられ、建物全体も光庭を取り入れながら分節化し、ヒューマンスケールにしている。内部は大きなマッスであるが、各所に光庭が配され明るく、各室はガラスを多用し、透過性の高い、開放感のある空間である。学年ユニットは、オープンなクラスを分節し、機能的で変化あるワークスペースに連続している。高学年ユニットになると、ワークスペースが特別教室で結束され、クラスタープランの新たな展開を感じさせる計画的に優れたものである。デザイン的にもディテールに至るまで配慮された完成度の高い作品である。
入選 蕎麦「福助」
- 所在地
- 富山県砺波市林947-1
- 建築面積
- 255.13m²
- 延床面積
- 235.06m²
- 竣工
- 平成19年4月20日
- 建築主
- 西村清秀
- 設計
- (有)金沢設計
- 施工
- (有)丹保建設
講評
黒部の山間部にある築百年以上の崩壊した庄屋を再生した作品である。再利用不能な部分もあり、完成した建築は元の規模の3分の1程度になったそうだが、解体した材料を見極めながら建築を作り出すという匠の優れた技術と構想力には感服する。客席は、民家の構造材をそのまま再利用したワクノウチの広間で、ダイナミックな空間を作り出す大胆さと、造作材をきめ細かく再利用してゆくという繊細さの両方を兼ね備えた作品である。
住宅の部
入選 新町の家
- 所在地
- 富山県富山市婦中町新町
- 建築面積
- 65.57m²
- 延床面積
- 125.71m²
- 竣工
- 平成21年3月20日
- 建築主
- 内山 剛・内山 理恵
- 設計
- 近藤建設(株)一級建築士事務所
- 施工
- 近藤建設(株)
講評
敷地の高低差をうまく利用して、生活の場を作り出している。特に道路レベルにあるダイニングキッチンと、テラスに開くこの家では一番低い所に位置するリビングとの高さ、広さの関係性は秀逸である。基本的には吹き抜けを介してすべての場が連続してゆくのだが、このレベル差が家族の心地よい距離感を作り出している。シンプルな外観とは対照的に豊かな内部空間をもつ作品である。
入選 竹林の見える家
- 所在地
- 富山県射水市東太閤山
- 建築面積
- 82.63m²
- 延床面積
- 123.94m²
- 竣工
- 平成20年10月16日
- 建築主
- 水野 佐智子
- 設計
- 水野行偉建築設計事務所
- 施工
- 中川建築
講評
建築家は龍吟庵の方丈に初源的な構成に感銘を受けたという。田の字型のシンプルな平面計画で、周囲をめぐる縁側を、うまく動線部分やバッファゾーンに利用し、現代生活に適応した住宅に変貌させている。竹林に面した部分は大きく開放でき自然と住居の一体感を醸し出し、スケールの良さもあり落ち着いた空間になっている。日本人のDNAに訴えかけるような、田の字型プランの可能性を改めて感じさせる作品である。
入選 時と人を繋ぐ
- 所在地
- 富山県高岡市伏木一宮
- 建築面積
- 97.15m²
- 延床面積
- 117.86m²
- 竣工
- 平成22年2月20日
- 建築主
- 中山 武幸・中山 真由美
- 設計
- 三谷建築設計事務所
- 施工
- (株)石原建築
講評
中心にオイと呼ばれる共通の居間をもった2世帯住宅である。親夫婦のスペースは水平に、若夫婦のスペースは垂直に構成されている。そのため外観は水平に高さが抑えられていて、2階建ての和風住宅のもつプロポーションの悪さを解消している。この住宅は街に対して、美しいファサードを見せるとともに、道路と住宅の間に敷地内の小道を設け、半公共空間を提供している。居住まいの良さが評価できる作品である。